2000年5月発表。"Stupid Dream" における成功と勢いをそのままに、 Porcupine Tree 史上、最も短い期間で制作されたアルバム。本作を今日に至るまでの最高傑作と評する人は少なくない。
KScope/Snapper : SMACD827 : 英国盤
East Rock/One Music : ERCD334 : 韓国盤
01. Lightbulb Sun (5.31)
02. How is Your Life Today ? (2.46)
03. Four Chords That Made a Million (3.36)
04. Shesmovedon (5.13)
05. Last Chance to Evacuate Planet Earth Before It Is Recycled (4.48)
06. The Rest Will Flow (3.14)
07. Hatesong (8.26)
08. Where We Would Be (4.12)
09. Russia On Ice (13.03)
10. Feel So Low (5.18)
Steven Wilson - Vocals, Guitars, Piano, Mellotron,
Hammered Dulcimer, Samples, Banjo, Harp
Richard Barbieri - Synthesizers, Hammond Organ, Fairground,
Synhtesized Percussion, Fender Rhodes,
Clavinet, Mellotron, Insects
Colin Edwin - Fretless Bass, Saz, Drum Machine, Guimbri
Chris Maitland - Drums, Backing & Harmony Vocals, Floor Tom
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Stuart Gordon - Violin, Viola
Nick Parry - Cello
The Minerva Quartet - Strings
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音像は "Stupid Dream" の延長線上にあり、穏やかなメロディとヴォーカル・ハーモニーに包まれたアコースティックでポップな英国ロック。しかし、エッジを伴ったメタリックな味付けはやや薄れた印象であり、事実、アップフロントな音を実現する為の諸々の工夫がプロダクション面で為されたようである。
前作での手法に自信を深めた SW が更に綿密に音を練り込み、溶かし込んだ本作は、 (内容は暗いが) 歌詞の嗜好の変化も手伝って体温を源にした暖かみさえ感じてしまう。 PT 史上、最も一般的に馴染み易いアルバムと言える。
Pink Floyd : "Animals" を髣髴させるアルバム冒頭。アコースティック・ギターで始まるタイトル・トラックが、その 「牧歌的な」 心象を煽って行く。エレクトリックな起伏に展開しても、その優しげな表情は変わらない。 Richard Barbieri のアナログで控えめな音使いと Colin Edwin のフレットレス・ベースが曲に滑らかな空気を与えている。
子供達の戯れ声をオーバーラップさせながら #02 "How is Your Life Today ?" へ。哀しく淡々と刻み続けられるピアノの音に、アナログ盤から響くかのような SW の歌。 Barbieri と SW により開発され ' Fairground ' と名付けられたキーボード・サウンドのイメージ (=ちょっと不気味な遊園地) に支配されている。
#03 "4 Chords That Made A Million" は先行シングルとして切られ、いかにもな弾むポップスだが個人的には続く #04 "Shesmovedon" だ。古弦と Chris Maitland の重く乾いたスネアで踏みしめるように進む曲。寂しく厳かでキャッチーなコーラスが印象的。ヴァースが進んで以降の狂おしく重層的な展開、その熱を持った暗さを煽り立てる SW のアグレッシブなプレイも良い傑作。
バンジョーで始まる #05 "Last Chance To Evacuate Planet Earth Before It Is Recycled" 。某カルト集団における演説をモチーフに、アコースティックでシンプルな表情を装い、職人達が遊びまくっている。実際の尺以上に密度を感じさせる曲。アコースティック・ギターに導かれるバラード #06 "The Rest Will Flow" 。ストリングスと Barbieri のアレンジが美しい軽快な好曲だが、実はアルバムの挿入に反対するメンバーも居たと言う。
SW の述懐 (嘘かも) #07 "Hatesong" 。ハーモニクスを浮遊させる妖しげなベース・ラインにピアノがポツリポツリと重なり、感情を奥深く押さえ込んだ SW の歌。やがて欝な感情は表へと溢れ出し、ザクザクとしたバッキングと細い線で糸を引くギターが展開。再度シンプルなベース・ラインへと還流。小鳥の囀り。
静穏な空気をそのままに、 XTC を思わせる強くもゆったりとしたリズムが刻まれる #08 "Where We Would Be" 。伸びやかに緩やかなメロディをなぞる SW 。搾り出すようなギターの被りがたまらないフォーキーな好曲。続く #09 "Russia On Ice" は拘りの大作。スローに陰鬱に始まり、やがてストリングスを配しながらシンフォニックで壮大に響く。曲の後半は緩急織り交ぜてヒステリックにヘヴィに展開。
鐘の音が空気を塗り替えながらラスト・チューンへ。 #10 "Feel So Low" は穏やかで寂しくも暖かなバラード。但し、その歌詞は猛烈に暗く、泣ける … 。
アルバム全体に実に意欲的に実験的 「音」 を散りばめているが、それ等が意識に入って来ない程のソング・オリエンテッド。 Steven Wilson も大満足の本作は、 Porcupine Tree の歴史を語る上で欠かせぬアルバムに仕上がったと思います。
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本作には 2CD 盤が存在します。元々は2001年2月、ドイツにおけるプロモーションの為に特別編集された代物で掲載のように青い光を放つジャケット仕様でした。クールでございましょ? このドイツ盤は中古市場で高値で取り引きされています。このドイツ盤と同コンテンツでジャケットはオリジナルのまま、と言う Helicon からのイスラエル盤も出回っており、2005年現在入手可能な 2CD は後者となるようです。名曲 "Buying New Soul" が聴ける貴重な編集ですので、市場在庫が尽きる前に急いでオーダーして下さい。
本作は (未来を含め) PT 史上、最もポップなアルバムとなるかもしれません。次作はメジャーの契約を獲得し、また少し違った音像を提示することになります。
--- お薦めコメント ---
文章が長かろうが短かろうが記銘すべきアルバムの特徴をキッチリ漏らさず伝えてしまう杜塚さんの 『杜塚秋人の静かな生活』 にて "Lightbulb Sun" についてのコメントを頂戴しております。
改めてご紹介するまでもない日本の Prog Metal 系フラッグ・シップ 『Pilgrim World』 のピルグリムてつさんからも推薦盤として実に詳細なコメントを頂戴しております。
No-Man 作品のコメントでもお馴染みの 『Fractalism』 は Kazz1200 さんに本作のコメントを新規掲載頂きました。あらゆる角度のあらゆるブログさんから絶賛される作品であると言うことですね。
Porcupine Tree - 「Lightbulb Sun」



これですよ、これのジャケの2CDが着ました!!
UK盤って書いてありました・・USで取り寄せたんですけど(笑)インポートのインポート。
とりあえず1枚目聞いたんですが、確かに硬質では無かったです。
春の霞(花粉かも・・)の中で聞いたので・・
そのまんまのイメージでした。
Black Fieldと同じ感じだ・・と1曲目聞いて思いましたよ。親しみやすい好盤です。
HPアドレス変更のお知らせいただいて、どうもありがとう。
あとで、TBさせてくださいね。朝は時間が・・
そろそろイチゴちゃんのところへ行かなくちゃ〜
新装開店後、またも初カキコをありがとうございます。
本作はお気に召して頂けましたでしょうか?
同じHM/HR畑出身の(?)TOMCATさんには "Stupid Dream" もお薦めしちゃいます。少〜しだけ、メタリックです。
(プロダクションの違い以上の差分は無いですが…。)
イチゴさま達のご機嫌は麗しゅうございますか?
いつか立ち寄らせて頂きたいと考えております。
改めまして、今後ともご贔屓に宜しくお願い申し上げます。
親記事まだ立ててないっす。
ごめんなさい〜近いうちに!!
イチゴは元気ですが、それ以上にたべられちゃうから・・実が無いっす。
なかなかネットで無いので、UBPで探してもらったら、結構見つかりましたが!!高い!!驚いちゃうぐらいに・・
Stuped Dreamは購入できそうです。
イチゴ園、一側面では嬉しい悲鳴のようですねぇ。
とは言え、お客さんの立場に視点を移せば、サービス提供者としては胃が痛いですよね。夜なべで何とかなるものでもなし…。
祈りは植物に通じるもの、と聞いたこともありますが、物理的限界は超えられないだろうしなぁ。
Stupid Dream もきっと気に入って頂けるものと思います。
園のお仕事が上手く行き、最高の気分で聴けると良いですね〜。
お祈り申し上げておりますよ!
遊びに来ました。
このアルバムが最高傑作との評価を受けてるんですね。
買ってみようかなぁ。
SWJPBO管理人さんの一番のオススメはどれですか?
教えてください。
ご来訪、誠にありがとうございます。m(_ _)m
一番のお薦め、難しいですね〜(笑)!
Porcupine Treeはどんどん音像が変わっていますので、お聴きになる方がどの様なジャンルを好まれるかでお薦めも変わってしまいまして…。
Lightbulb Sun :
PT史上、最もポップです。一般的には最も取っ付き易いと思います。基本はロックですが、優しい音像で貫かれています。最高傑作と呼ぶ人は多いのですが、上記の理由から絶対不動のものではありませんね〜。
In Absentia :
結構メタリックです。が、一貫したメタリックさではなく、要所にエッジとして使っている、と言う感じです。このアルバムも大変人気が高いです。楽曲の色も強く、粒揃いです。HM/HR好きの方に最も対応度が高いのが本作かと。
Stupid Dream :
Porcupine Treeが現在の姿(歌モノ中心)に至った最初のアルバムです。上記2つのアルバムの中間位の音像でしょうか。こちらの楽曲も粒揃いです。最近、個人的にはこのアルバムがベストかな、と思うようになりました(流動的)。
The Sky Moves Sideways :
プログレッシヴ・ロックを好む方がベストに推すのが本作です。いやまぁ、本当にピンク・フ○イドです(SWが嫌がるので伏字にします(笑))。
この中からお好みのキーワードでチョイスして頂くのがよろしかと思いますが、Lightbulb SunとStupid Dreamは入手困難となっているようです。
(TOMCATさんはタイミング的にラッキーでしたね!)
あ、あと、最新作のDeadwingを忘れちゃいけない(笑)!
In Absentiaの次に入手し易い作品となるかもしれません。いずれcatalogにも掲載致しますが、ヘヴィ且つノスタルジックでエモーショナルな作品に仕上がりまして、私個人の嗜好で言えば「新たな最高傑作」としてご紹介するつもりであります。
ご参考となりましたでしょうか…?
いよいよ東京公演は明日ですね。
大学の研究室を抜け出して観に行こうと思っています。
友人も誘いましたが「U2観に行くから無理」と一蹴されました…。
さきほどイスラエルからLightbulb Sunが届きました。
なんとCDケース無しで、ブックレットとCD2枚と背表紙を無理矢理に緩衝材にくるんでガムテープでぐるぐる巻きにしたものが届いて驚きました…。
とりあえず盤面は無事だったので堪能しているところです。
U2 は強敵ですね (笑) 。でもイスラエルではボーカルの SW の別プロジェクトの Blackfield はチャートで U2 を凌ぐ人気なんだぜ、と煙に巻くような誘導でもう一度トライなさって下さい (笑) 。
そのイスラエルからの LBS は購入時に恐らく梱包を選択出来ませんでしたか? プラスチック・ケース無しの場合は少々お安くなっていると思います。銀盤が無事でしたら、しっかりとお得になっていますのでご安心下さい (笑) 。よろしければ感想もお寄せ下さいませ〜。
このアルバムは随分前から持っていたのですが、やっぱりイイですねぇ。「Where we would be」のギターの音色、まさに「搾り出すようなギター」の音色ですね、カッチョイイ!
CD屋さんでは結構の確率で『In Absentia』を見かけSWJPBOさんのページを思い浮かべたりするのですが、いまだに手が伸びません。だってあんな白目なジャケなんですもの、ジャケ買い出来ないじゃん(笑)。
本っ当に本作はありとあらゆる方から絶賛され、 PT の中でもその卓越した創作性を語る上で外せない作品だなと実感させられますね。 "Deadwing" から入られた方にも是非ともここまではフォローして頂きたいですよね。
ところで、 "In Absentia" も絶っ対にチェックを怠れない作品でありますのでジャケットに気圧されずにレジまで運んでやって下さい (笑) 。 PT は同じ場所に立ち戻らないとの視点でも貴重な作品ですが、それ以上に奇跡的な結晶を魅せているアルバムです。